日本妙好人協会

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金言金行集
2020年8月24日
 ある同行が

「お寺まいりも、信心をいただこうと思うと、

なかなか くろうする」というと

 「そんなものもらったら、かえって やっかいで、

日日の日ぐらしにもこまる。

わしは仏様に信じられているから楽じゃ」



仏法を談じこんで、じまん顔によろこんでいる

人には

「そのよろこんでいる心も、

しゃばにおいて いかねばならぬ」といった。



江州(滋賀県)の妙好人

米原町磯(いそ)の椋田与市(むくだよいち)さん

信者群像。 

金言金行集
2020年8月29日
 夏暑い日、おようという信者の婦人の家を

訪(と・おとな)うと、となりの若い嫁がいて

「信心の味をしらせてくれといわれ困っているの

で、お茶を入れるから、話してやって下さい」

という。

暑いので二人とも腹巻一つである。

嫁が戸棚の上の茶つぼをとろうと背のびをした

ひようしに、腰が細くなって腹巻がおちた。

大笑いの後、茶をのみながら与市が

「腹巻がおちた時の気持はどうであったか」

ときくと嫁は、

「どうもこうもない、ただ はずかしいばかりで

あった」という。

与市はすかさず「そこが信心のあじわいじゃ」

とこたえた。

はずかしさを知らせてもろうたのが信の味とは、

あじわい深い、即意当妙の一言である。




米原町の妙好人 椋田与市さん

信者群像より
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