日本妙好人協会

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金言金行集
2020年6月23日
それでも多くの人々は経典のことばに ひっかかっ

て ものをいう。

「私はたのむ一つでおたすけと決定(けつじょう)

しています」

「たのむものをお助けなら、たのまぬものは なお

お助けじゃ、たのむを自分から出すせわのいらぬ

お助けがうれしい」

ある人「一心一向をきかせて下さい」

「一心一向にたのめと申されるが、私は存じませ

ぬ。なむあみだぶっ、なむあみだぶっ。

こんなことじゃそうにござります」



    おそのさん

金言金行集
2020年6月24日
 自分のことばを使わず、経典のことばも借りず、

ただ仏のおおせを わが生命としている おそのの、

切れば血の出る仏法の積極性自由性は、当時の

保守的で封建的で、概念的に死骸をつつきまわす

ような宗学をやっていた僧侶仲間に、反感と誤解を

うけたことは当然であろう。
 
 おそのが越前(福井県)の同行にまねかれて語っ

ていたとき、僧侶仲間によびつけられた。

同行が案ずると
 
 「来いとおっしゃるから行きますわいのう。

なむあみだぶつー」

と出席した。

「お前の信心はちがう。 さんげしてとりやめよ」

「ちがっていればこそ、なあもし」とよろこぶ。

「ちがっていては浄土へ行けん。おちる」

 「おちればこそ すくわれるか、なあもし」

とにこにこ。

「それでは仏のご誓約にそむく」

「そむけばこそ無有出離(むうしゅっり)の縁とおお

せられるか、なあもし」とにっこり。

「ご誓約にそむけば往生かなわぬ」

 「自分で往生できたらお助けは他人のものか、

なあもし」

「えい、このばばあ、気ちがいじゃ」

「気ちがいとはうれしい。この地獄行の機(心)と

極楽行きの機と、ちがえて下されたか、なあもし」

「うかとしやべるな、奥の間で ご連枝(法主

の一族)がお聞きとりぞ」

「飯をたべて生きている人間にわかったら大へん、

わからぬでこそ ふしぎというか、なあもし」

完全に僧たちの敗北である。



信者群像より・三河のおそのさん
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