日本妙好人協会

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金言 金行集
2019年11月8日
 ある時 同行の家に法話があつて詣つている間に

泥棒が入つた。

前の日、菜種を町へ賣りに行つて

金十五匁(もんめ)をとり

その内八匁で入用の品をかひ、残りの七匁を

家に置いたのであつた。

それをとられてしまつた。
 
 貧乏人が一年間苦勞してとつた僅かの金、それも

これからの家計にせねばならぬ大切の金をとら

れてしまつたのである。

ところで近所の人はそれをきいて氣の毒に思つた

のであるが、当人は
 
 「盗みする心はこのわたしにもあるのに、今は

佛様のお慈悲で、盗む心をおこさずに盗まれる身

になつたと思へば、ありがたい」

と喜んでゐたのである。

この一語はまことに有難い。

信の體験から自然にほとばしり出たことばで

あろう。


清九郎さん(岩見 護・念仏者のおもかげ)

金言 金行集
2019年11月9日
  法の道

  知らで空しく

  過ぐる身を

  つれゆく母は

  ここに居るぞよ


妙好人・貞信尼さん
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