日本妙好人協会

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金言 金行集
2019年12月4日
 門主から

「信をえられたすがたを一言申せ」

と もとめられて庄松は

「なんともない」 と答えた。

「それで後生の覺悟はよいか」と重ねてきかれて

「それは阿彌陀さまに聞いたら早うわかる。

わしの仕事ぢやなし、わしにきいたとてわかる

ものか」と答えた。
 
 門主はこの答をきいて非常に滿足されたとある。

禪では無事是貴人(ぶじこれきにん)である。

庄松では

「なんともない」である。


岩見 護 著(念佛者のおもかげ)

金言 金行集
2019年12月7日
貞信が中心の安住は、もっぱら念佛往生の誓願

に腹を据えて、行住坐臥の稱名に精を励まし、

而(しか)も温かき大悲の懐に抱かれて

親一人子一人の情味に憬(あこが)れてゐた

もので、固(もと)より純粋な眞宗の安心

(あんじん)であつたけれど、其平生の行業に

至つては、到底世の常の型に箝(はま)つた信者

の所作を以(もっ)て律すべきものでない、

全く御門徒としての慣習や作法の外(ほか)に

超越して、頗る自由に寛(ひろ)い砕けた所が

あつて、更に因襲に囚(とら)へられず、そこに

貞信の信仰の生命が生き生きと流れてゐた。


貞信尼物語

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