日本妙好人協会

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金言金行集
2020年7月6日
 牛窪(うしくぼ)の人で、藤川宿まで馬をひくのを

職としたが、熱心に求めた人で、あるときは馬を

宿につないだまま上京してきいたこともあった。

越前の水吉屋吉郎右衛門(みずよしやきちろう

えもん)と二人で香月院につかえて、生涯きいた。
 
 あるとき浅右衛門が「『弥陀の本願を信ぜず

しては、ふっと助かるということあるべからず』と

あるが、この信ずるはどんなことか」ときいた。

「わしにもわからぬ、これから京に行ってご講師に

きいてくる」

「そんなに急がぬでもー」という友の手をふりきって

上京して、香月院にきいた。

 「信ずるとは、仏祖のおおせにしたがうことじゃ」

「そのおおせはー」

 「欲がおころうが腹が立とうが、鬼でも蛇でも、

そのまますくうとの おおせじゃ」

 「そういうおおせなれば信ぜられます」

長松は勇んで帰って、浅右衛門にもよろこび

合うた。


    三河の念仏者 牛窪の長松さん 

金言金行集
2020年7月8日
肩ぎぬかけて数珠もって御真影さまの おん前に、

殊勝らしく称名をよろこぶすがたが地獄じゃと

ご講師はおおせられた。



信うる人は如来をたのみたてまつる故、

助からぬといえば いうほど、

たしかに思うてよろこぶものじゃ。

そこもとの安心は地獄じゃといわるるとも、少しも

かまわず、いいつぶされるほど、いよいよ法の方

ばかりをあおいで よろこぶべし。

念仏詩人・伊賀の三左衛門同行

信者群像(藤並天香 著)
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